糖尿病は高度の高血糖になると喉の渇き、たくさん水を飲む、だるい、体重減少などの症状をきたしますが、軽い場合に症状はありません。高血糖の症状があっても治療をするとすぐに症状がなくなります。
しかし、症状がない場合でも血糖が高めのまま放置すると眼底に出血して目が見えなくなったり、腎不全になったり、神経障害がすすんだり、動脈硬化で心筋梗塞や脳梗塞になったり、患者さんの生活の質を落としたり、死にいたることが大きな問題です。
糖尿病は、厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査」によれば、疾患が疑われる人を含めると、日本人の5~6人に1人が罹患しています。 このような状況で、毎年糖尿病が原因で3,000人が失明、16,000人が腎不全で透析導入されています。
糖尿病に対する考え方は変化してきており、糖尿病に罹患しているということに対する偏見を解消するように日本糖尿病学会・日本糖尿病協会ともに取り組んできております。糖尿病は環境要因だけではなく、遺伝的な要因も発症に関わることがわかっており、生活習慣病と呼ぶのは適切ではないとの考えがあります。また、糖尿病の名称自体も不適切との考えもあり、変更について議論されております。
糖尿病が生活習慣以外の要因も発症に関わることはわかっていますが、食事や運動療法が血糖値を改善させるということも重要です。 糖尿病の治療は食事療法・運動療法・薬物療法が3本柱であり、どのような場合にも(インスリンや内服薬治療中でも)食事療法が必要となります。
メタボリックシンドローム、癌の予防、高血圧、高脂血症、高尿酸血症、脂肪肝、心筋梗塞、脳梗塞、肥満などの治療の基本は食事療法および生活習慣の是正です。これらの疾患の治療は食事療法抜きでは考えられないほど重要な治療です。
当院には管理栄養士がおり、栄養相談室において食品モデル、食品交換表、いろいろな食品モデルを用いて病態の説明から栄養相談をいつでも行える体制を整えております。